【7】Fact Finding

景気は良いのか悪いのか?

今月は衆議院の総選挙がありました。
ワイドショー的、劇場型な選挙に感じました。

人間的で面白い部分もありましたが、

あまり政策の具体的な話を聞くことができなかったのは残念です。

各党とも様々な観点で主張されていましたが、その中で注目したいのは、
どなたかが言っていたのか記憶にないのですが
「株高、大企業の景気は良いが国民の皆さんに好景気の実感はない!」
といった主旨の演説です。
確かに日経平均16連騰などありましたが、肌感覚では景気が良い
という実感がないのが実情です。

データで調べてみました。


家計調査の時系列データから、消費性向をみました。消費性向は可処分所得のうち、実際に消費した割合を示しています。

2000年からのデータになりますが、横ばいが最初に感じる印象です。
細かく見るとここ3年間は減少傾向にあります。
消費性向が低下しているということは貯蓄性向が高まっている
ということですから、ここ3年程の状況をみると人々の気持ち
が消費に向かっているとは言い難い状況です。




原因はどこにあるのでしょうか?物価が上がっているからでしょうか?
黒田日銀総裁の約束した2%の物価上昇はまだ実現していないようですが、
以前より上昇した為と考えることができます。




データをとってみたところ、物価は全く上昇していません。
高度経済成長期やバブル期と比較すると上昇していますが、
前回好景気と言われた2000年前後のITバブル期と比較すると
ほとんど増減していません。

となると、給与が上がっていない事、もしくは下がっていることが
予想できます。

給与のデータをみると


バブル期よりも、ITバブル期よりも低水準にあります。
20年程前より15%近く給与が減少していれば、好景気と実感できないのも頷けます。

さらに勤務先の規模別でみても、大企業の従業員だけが潤っているという訳ではなさそうです。
資本金の大小に関わらず、どの階層も98年対比で1割程度減少しています。

よく大企業だけが景気が良いと聞きますが、従業員レベルではそれも
あてはまらないことのようです。


では内部留保課税・・・という議論もあります。
内部留保は、もともと会計上の概念であり、
利益剰余金等の内部留保が潤沢であっても
実際にはその額だけ現金があるということではありません。
不動産や有価証券等の資産に変わっているものもあります。
これらに対して課税するというのは二重課税となりますので
適切ではありません。
企業は一定以上の現預金を所有しないで資産を購入したり
従業員に賞与を払いなさい。というのもおかしな話になってしまいます。

社員の給与水準を上げる政策が最も有効な手立てではないか
と思いますが、民主主義の世界で国から民間会社に
お金の使い方を指示するのもどうかと思います。

執筆者:蛭川 速 / 2017.10.31