【16】世代研究

消費意欲の高い男性単身ミドル

単身者の年収は全般的に高い水準です。女性よりも男性が高水準にあり、50代まで2人以上世帯を上回る水準にあります。




2人以上世帯は、光熱費や住居費など生活費の中に世帯構成員(家族)で共有する固定費部分があるので、等価所得を計算して比較しています。
*等価所得=世帯の所得を、世帯人員の平方根(0.5乗)で割る。


内訳をみると男性34歳までの若年層は、「300-600万円」が最も多く、それが35~59歳になると、更に所得が増加するグループと、低下するグループに分かれます。
男性35~59歳は、3人に1人が「600万円以上」と所得の高さが特徴的です。
その後60歳以上になると相対的に所得は減少していく傾向にあります。

女性も基本的には男性と同一の傾向で、35~59歳の働き盛りの年代で600万円以上の高所得者が数多く存在しています。16%と女性の中では最も高い年齢層です。
60歳以上で低所得者が増加傾向にある点も男性と同様の傾向です。
男女ともにリッチな単身者が多く存在する年代が、35~59歳のミドル層と言えます。





次に貯蓄について2人以上世帯と比較してみました。
全体的に2人以上世帯よりも高水準にあるのが特徴です。2人以上世帯は単純に世帯人員で除した1人当たり貯蓄現在高としました。

年収と比較して単身層の貯蓄の傾向は、男女ともに大きな差異は見られませんでした。30代で男性の貯蓄が増加するのは、結婚に備えて貯蓄するのではないかと考えられます。





住居形態では単身者全体で、約6割が「持ち家」という状況です。
男女とも年代が上がるにつれて持ち家比率は高まります。どの世代も男性よりも女性の方が持ち家の比率が高いのが興味深いところです。

男女ともに35歳未満では「持ち家」が少数であったのが、35歳を過ぎると「持ち家」比率が高まります。
35歳以上のミドル世代は住宅購入意欲も高まる年代と言えます。



男性は女性よりも所得が高く、貯蓄は同等で、持ち家比率が低いという状況でしたが、消費金額はどうでしょうか?
ひと月の消費支出として、最も高いのは、女性~34歳、ついで男性35~59歳、女性35~59歳となります。
単身ミドル男性は所得も高く、消費欲も旺盛なセグメントいえます。




支出品目別の金額をみると、最も消費金額が高かった35歳未満女性は、被服及び履物いわゆるファッション品での支出が高いのが特徴です。
35~59歳男性は食料が高いのが特徴です。男性は全般的に女性よりも食料支出が高い傾向にあるます。
これは食料支出の内訳として外食の比率が高い事に起因すると考えられます。




食料の内訳として男性の特徴は、調理食品の比率が女性よりも高いことにあります。冷食やレトルト食品などで簡便に済ましているということです。
男女ともに高齢になるほど食材の比率が高まります。特に女性は35歳以上で半数以上の比率を占めています。男性ミドルはそれまでの外食一辺倒から内食が増加していきます。食材から調理する人が増加し、調理食品も最も多くなります。



趣味や娯楽をどの程度行動しているという比率を見ると未婚男性は既婚男性と比較して35歳以上で増加していることが分かります。
多くの単身男性が趣味や娯楽をしているということで、それに関わる支出も多いことが分かります。



【まとめ】
単身者は、男女年齢を問わず、全般的に高所得で貯蓄も多いということでした。中でも未婚男性35~59歳は消費支出金額も旺盛です。
外食も多く、調理食品も多い、食材すなわち料理も作ります。
いろいろな層や消費シーンが存在するので、単身ミドルの中でもセグメントを絞ってマーケティング展開することで、需要を創造することができると考えます。

例えば男性向け料理教室が挙げられます。ファミリー向けではなく自分のために作る「男飯」やホームパーティなどもてなすための料理など未婚男性の潜在ニーズに合致したコンセプトが考えられます。

調理食品や食材が多いので、それらの組み合わせ商品や「ひと手間加える商品」、調理方法を説明している食材のセットや、論理的な男性が好むアプローチを掲載したweb連動などなど考えられます。

趣味娯楽の行動者率も既婚男性を上回ります。多用な考えを持っているので、単身ミドルの嗜好に合致するものであれば需要を開拓できると考えます。
執筆者:蛭川 速 / 2017.03.18