【9】2次データを読み込む

リア充、カスタマイズニーズに応える

これまで数回に渡って、若者の消費について取り上げてきました。

今回は生活行動に着目して、社会生活基本調査の時系列データを活用して、現代20代の若者について分析、潜在ニーズについて考察していきたいと思います。

まずは20代若者がどのようなことに時間を費やしているのか、行為者率を求めているデータから見ていきます。




バブル時代の86年、91年と比較すると、「旅行」、「スポーツ」の落ち込みが顕著になっています。その中で「趣味」は高水準を維持しています。

20代前半、後半ともに同様の傾向がみられています。

スポーツで身体を動かし、旅行をして日常生活からの脱却をするという行動が減少していると考える事ができます。

日常の中で手軽に楽しむことができる「趣味」が人気のようです。

ちなみに「自己啓発」は4割、5割付近を横這い状態となっています。バブル崩壊以降の失われた20年と言われている中でもスキルアップしようと「自己啓発」をしている姿を想定していましたが、然程増加しているようではありません。


昔と変わらず行為者率の高い「趣味」について深掘りしていきたいと思います。



趣味を、主に自宅など室内で実施できる「自宅系趣味」と自宅外の施設で行う「外出系趣味」に分類して、その推移を見ました。

86年91年当時からもそうですが、「外出系」の低下が目立ちます。

「自宅系趣味」の中では「テレビゲーム・パソコンゲーム」の増加が目立ちます。
他の趣味が下降曲線を描いている中で、ひときわ目立った存在となっています。

若者の1つの傾向として自宅でゲームを楽しんでいるというライフスタイルが見られます。


次に生活時間の推移を見てみましょう。



近年の傾向として、「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」の時間が減少し、「休養・くつろぎ」の時間が増加しています。

おそらく「休養・くつろぎ」にはインターネットやスマホを弄っている時間が含まれると考えられます。

そして「交際・付き合い」の時間が減少し、「趣味・娯楽」の時間が増加しています。

他者とのリアルなコミュニケーションから自分ひとりで過ごす時間が増加していると考えられます。

ITが進展したことによって、コミュニケーションのスタイルが変化してきています。LINEやTwitter、FacebookなどのSNSは、バーチャルでのコミュニケーションを実現しました。それによってリアルなコミュニケーションは減少しています。

テレビ・ラジオといったマスメディアからゲームなど「趣味・娯楽」といった個人で楽しむ時間へシフトしていく様が見て取れます。

ここでは細かな事実は読み取ることができませんが、ソーシャルゲームであれば実際に合うことなく、ネット上で友人とゲームを楽しむこともできます。

リアルで時間を共有することなく、ネット上でのバーチャル化が進展することによって、反面リアルへのニーズが高まると考えます。

「リア充」というキーワードが多用されているのは、そうした未充足度合を証明するものと考えます。

わざわざSNS上で「リア充」を自慢しなければならないほど貴重なものになっているということです。


リアルとカスタマイズ感が今後の若者消費のキーワードとなるのではないかと考えています。


例えば NIKEiD は、最新のNikeシューズを自分にぴったりのデザインにカスタマイズできるナイキ公式オンラインストアです。

シューズ、カラー、素材、ソールを自分のプレーするスポーツに合わせてカスタマイズできます。


リノベーションというキーワードに対応した賃貸物件もあります。

壁紙や床材、照明器具など、入居者が入居前に好みの部材を選べるというものです。
その他にも間取りや設備の変更など大規模改修に対応してくれるものもあります。

trippieceは、オリジナル企画に参加して、これまでにない旅行をすることができます。

自分の趣味に合った旅行を自由に企画し、一緒に旅に行きたいユーザーを集め、旅をつくるWebサービスです。
実際に旅のプランが固まった場合は、トリッピースを通して旅行代理店がプランをツアー化していきます。

こうした商品やサービスはITネットワーク技術の進展によるものですが、

若者の潜在ニーズに応えているものと考えます。

執筆者:蛭川 速 / 2016.04.09