【15】ワーキングウーマンの消費実態を考える

管理職を望む、働く女性の苦悩

政府は2020年までに指導的な立場に就く女性を30%に引き上げるという目標を掲げています。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2014年)によると、企業の課長級以上の女性比率は8.3%となっています。


かなり大きなギャップがあるように思います。



政府の目標設定は別として、どの程度の働く女性が、管理職になりたいと考えているのでしょうか。

エン・ジャパンの実施した「女性のキャリア意識調査レポート2015」によると
20代から40代の働く女性の内、16%が「管理職になりたい」と回答しています。

「どちらかといえば管理職になりたい」を加えると46%に高まります。

20代から30代、40代へかけて年代が上になるほど、意欲は高まります。

エン・ジャパンの転職サイトに登録している女性ですので多少意識が高いことも考えられますが、かなり管理職希望率が高いと感じます。

では実際に働く女性全体の中で、どの程度の人が管理職になれているかを算出してみたいと思います。

連合賃金レポート2014年によると10人以上の企業に努める従業員(正社員)の内、女性の占める割合は33%となっています。

その中で2013年、係長以上の役職者総計の従業員に占める比率は、100人以上の企業で21%、100~999人で20%、1000人以上で22%となっています。
全体の22%が管理職として、その中の8%が女性ですので、全
従業員の内、女性管理者は1.76%となります。

女性従業員は全体の33%ですから、女性従業員の内で5.3%しか管理職についていないと算出できます。

希望者16%に対して5.3%の管理職率ですから、およそ3倍の狭き門です。

ちなみに全男性従業員における男性の管理職割合は31%ですからその差は大きいと言わざるを得ません。

男性は、女性の6倍の確率で管理職になれるということなので、恵まれています。

厚労省「コース別雇用管理制度」(平成22年度)によると
10年前に総合職で採用された社員の現在の職位を聴取しています。

男性は全体の39%が管理職になっています。対する女性は12%に留まります。

女性の場合、離職が多いですが、継続就業に占める管理職の割合でも36%となっており、男性の55%と比較すると低率であることが分かります。




では何故、女性管理職は少ないのでしょうか。
同調査によると
女性管理職が少ない(1割未満)、全くいない理由として、


ほぼ半数の48%が「現時点では、必要な経験、判断力等を有する女性がいない」と回答しています。

女性の能力は男性と比較してそんなに劣るモノなのでしょうか。

文科省の「学校基本調査」によると、修士課程入学者の内、社会人入学者に占める女性の割合は5割近くを占めています。

社会人の中で大学院へ入学しようと考える人に男女差はほとんどありません。




また経産省「平成24年就業構造基本調査」では平成24年に自己啓発をした者の割合を掲載しています。



詳細な数値を読み取ることはできませんが、役員、家族従業者以外の全ての雇用形態で女性の方が男性よりも自己啓発した人の割合が高い事が分かります。

こうなると女性管理職が低率である要因は企業側にあると考えられます。

女性には「任せられない、スキルが不足している」という固定観念があると考えられます。

大学院に入学すると、管理職のスキルが備わるかどうかは分かりませんが、
少なくとも男性と同等にスキルを高める意欲はあるということです。

ビジネススキルにおいて男女において先天性がないと仮定すると、
企業側の思い込み(女性はスキルが低い)によることが仮説として考えられます。

女性管理職を本当に増やしたいのであれば、
管理職割合という目標設定よりも、企業側の意識を変革させることが
先決ではないかと思います。

執筆者:蛭川 速 / 2015.10.30