【9】2次データを読み込む

国内景気の動向を把握するには

今週は上海株暴落による世界株安懸念が高まりましたが

それでもアベノミクスの効果からデフレを脱却し、景気が良好な

循環に入ったとの報道を多く耳にします。

8月初旬には国内の自動車販売が低迷しているとの発表がありました。


何とも読みづらい状況にあります。

円安による輸出産業の好業績の報道もありましたが、国内景気は

良くなっているのでしょうか?

景気の判断は、いま1つ実感がなく、いろいろな見方があるので

今回は個人の感じる景気指標について考えてみました。


内閣府の実施する

「消費動向調査」は、消費者の暮らし向きに関する考え方の変化などを

とらえ、景気動向の把握や経済政策の企画・立案の基礎資料とすること

を目的として、毎月実施しているものです。(内閣府HPより引用)



今後の消費動向を予測するものとして、消費者の意識を聴取しています。


暮らし向き・・・今後半年間に今より良くなるか

収入の増え方・・・今後半年間に今より大きくなるか

雇用環境・・・今後半年間に今より良くなるか

耐久消費財の買い時判断・・・今後半年間に今より良くなるか


それぞれ5段階で聴取し回答の構成比に以下のウエイトを掛けあわせ

合計したものを指標としています。


「良くなる・大きくなる・増える」に1

「やや良くなる・やや大きくなる・やや増える」に0.75

「変わらない」に0.5

「やや悪くなる・やや小さくなる・やや減る」に0.25

「悪くなる・小さくなる・減る」に0



従って変わらない50(%)が判断基準となります。

7月実施調査までのグラフの推移をみると

雇用環境以外低迷していることが分かります。




過去の推移をみると、リーマンショック、震災といった大きな環境変化のあった

時に雇用環境が大きく落ち込み、それとともに耐久消費財の買い時判断、

暮らし向き、収入の増え方が連動していきます。


リーマンショックの以前では「雇用環境」が50を超え、

「耐久消費財の買い時判断」も上昇しています。


傾向として「雇用環境」が上昇すれば「耐久消費財の買い時判断」が

上昇し、景気が良くなると考えられます。



先々の仕事の不安が減る事で大きな投資をしてみようと

考えるのではないでしょうか。



そう考えると今の状況は「雇用環境」がかろうじて45ポイントを

超えていますが、「耐久消費財の買い時判断」まで誘引できていない

という状況です。



自動車の新車販売台数も今年に入り7カ月連続で前年を下回っています。




前年同期比マイナスの要因として昨年4月の消費増税、今年4月の軽自動車

増税が考えらえます。

多くは国の政策に大きく影響を受けていると考える事ができます。



雇用に対する意識が更に安定しなければ、本格的な景気回復は

期待できないということです。

今後の雇用政策に注視していきたいと思います。

執筆者:蛭川 速 / 2015.08.28