【9】2次データを読み込む

ネット生命保険の危機?!

今週、ネット生命保険が新規契約低迷で危機感をもっているという記事

を読みました。


これまでにないビジネスモデルで優れた経営手腕としても注目されていた

ライフネット生命では14年4-12月、前年同期比43%減 約2万1000件に

留まるとしています。

要因は「スマホ対応の遅れが響いた」(出口治明会長)としています。

KDDIと提携してauのスマホ用サイトを通じて死亡保険や医療保険の

販売を今秋から始めるとのことです。(日経新聞2015年4月27日朝刊より)






確かに新契約数は2012年をピークとして以降減少傾向が続き、2014年は前年比

29ポイント減少の46,237件となっています。さらに減少が見込まれているすので

深刻な状況と察します。

スマホ利用者は着実に増えています。

街中でも「歩きスマホ」をしている人や、電車内ではほとんどの人が

スマホを弄っています。

統計的にはどの程度普及が進んでいるのでしょうか。

総務省「平成25年通信利用動向調査」ではスマホの世帯普及率は62.6%と

前年よりも13ポイント増加しています。



また総務省「平成25年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」

では若年層ほど携帯電話からのネット利用時間が多い傾向にあります。



保険検討ですので休日の利用時間に着目すると 

20代 携帯電話:123分 PC:49分
30代 携帯電話: 61分 PC:29分
40代 携帯電話: 37分 PC:34分
50代 携帯電話: 19分 PC:27分

となります。


保険新規加入者は若年層が中心となると考えられますので、

若年層のスマホの利用者が増えていて、

スマホ対応が遅れたために新契約数が減少した

というのは頷けます。

認知促進のためにもスマホユーザーへのアプローチは必要

であると考えられますが、

本質的な課題は別にもあるのではないかと思います。


ネットライフのHPに契約者アンケート結果が掲載されています。

その中に「保険検討に重視するポイント」があります。




HPでカンタンに見積もりシミュレーションができるので、

試しに私も入力してみました。

ものの5分もかからず必要な保険の保険料金を知ることができました。


生命保険について死亡時に必要となる金額(家族に残す)は

3000万円が目安、と明示されているのも分かり易く、

明解な印象があります。


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    安くて分かり易い

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保険加入検討者へのベネフィットは強力です。



また「商品や保険金額を決定する上での主な相談相手」では



「自分で決めた(相談していない)」が過半数の56%となっています。

ネットで検索し、シミュレーションして“即決”という加入プロセスが

想定できます。


保険商品は分かりにくいものです。

まずいくらの保障が必要なのかが分かりません。
そしてどんな種類の保険が必要なのかも分かりません。
そもそも定期死亡保険と終身死亡保険の意味が分かりません。

こうした加入検討者の意識をサパートし


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  適切な商品を瞬時に提案している

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ところにネットライフの一番の売りがあると考えます。

素晴らしいビジネスモデルと感銘します。



一方でそこまでいかない人もいるのでは・・・と考えます。

ネットライフのHPを閲覧する人は(PCでもスマホ)

保険に加入しよう と顕在的に思っている人です。


対して


なんとなく必要だなぁ
将来不安だなぁ
でも情報収集など行動には移していない人達


と漠然と(潜在的に)考えている人達もいるはずです。



彼らを取り込んだのが

来店型の保険ショップです。

ショッピングセンターなどでよく見かけるあのお店です。



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 何気なく買い物をしている時に

    ↓

 ふと目にした保険の看板

    ↓

 「そろそろ考えてみるか」

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と来店する意識行動プロセスです。


もちろん来店型保険ショップは、顕在的なニーズを

持つ人にも有効です。


こうした戦略で来店型保険ショップは
年々売上を伸ばしています。




ネット保険よりも


「考えなくても良い」


ので手軽です。


ショップ店員さんの質問に答えるだけです。



ネット生命保険が検討から加入までの短時間を提供

しているのに対して

来店ショップは店員さんが考えてくれます。

情報収集もしなくても大丈夫です。

店員さんがチョイスしてくれます。


こうしたビジネスモデルとの競合優位性の確立も

ネット保険の重要課題と考えます。

今後ネット生命保険が再び成長軌道となるには

ベネフィットの更なる強化が求められると考えます。



ちなみに最近来店型保険ショップの公平性が

問題視されています。勧める商品に偏りがあるという話です。

店員教育などこちらもビジネスモデルの修正が必要です。


保険と言う形のないもの 安心 という基本ベネフィットから

進化していく商品・サービス形態に注目していきたいと

思います。

執筆者:蛭川 速 / 2015.05.01