【16】世代研究

インバウンド消費の恩恵

今月初め、百貨店の2月売上が発表されました。

例年2月はニッパチといって消費が低迷する時期ですが、今年は違います。
大手百貨店5社が2日に発表した2月の売上高は全社揃って増収でした。

中華圏の旧正月「春節」による訪日客の増加によるものです。三越伊勢丹は7%増(前年同期比)、免税品の売上は3倍に増えています。

そごう・西武で2.6%、大丸松坂屋で2.5%です。
ブランド品や宝飾品を大量買いしている姿は報道でも目にしました。


ブランドものなどの高額品だけではありません。

ビックカメラでも免税店が前年上期と比較して2倍の売上高を記録しています。中国からの訪日客が半分を占めています。今年1月にインバウンド室を設けて、コールセンターを設置して体制を整えています。

ドラッグストアでも化粧品、医薬品などが好調でした。大阪のツルハ道頓堀店では春節時期に過去最高の売上を記録しました。

100円ショップや、ドンキホーテなどでも好調は連鎖しています。


人口減少によって長期的に国内消費低迷が不安視される中で、訪日外国客の国内消費「インバウンド消費」に期待がかかります。

インバウンド消費の特徴や着眼点を整理することで大きなビジネスチャンス獲得の足掛かりとなると考えます。


まずはインバウンド消費の現状を客観的なデータで確認してみましょう。
2015年以降の傾向を予測するために過去からの推移を見てみます。


(日本政府観光局HPよりグラフ作成)


グラフにすると昨年2014年の訪日外国客数の伸び率の高さが分かります。

円高傾向が続き、旅行費用やショッピング費用の割安感が大きく影響していることが考えられます。
また2014年7月から開始された東南アジア諸国の査定緩和措置、LCCの発着枠増加なども要因として考えられます。



次に国別の構成比の推移を見てみましょう?



10年スパンでみると韓国からの訪日客が高い傾向が読み取れますが、ここ数年の反日感情の悪化からか、2011年以降は減少傾向にあります。

代わりに中国、台湾の増加が目立ちます。

特に中国は2013年の尖閣諸島問題を発端とする反日感情悪化による訪日客減少から一転して昨年は大幅増加となっています。

要因は前述の円安効果、LCCなどの他、中国人が政治問題と切り離して日本旅行を楽しむ風潮が広がったことも考えられます。



こうして増加している訪日外国人客の消費需要を獲得していく視点が国内景気回復の足掛かりとなるのではないかと考えます。

次回は訪日外国人客の消費金額、消費内容について分析していきます。

執筆者:蛭川 速 / 2015.03.13