【13】先入観からの世代考察

チェキのヒット要因を分析する

スマホ普及率が上昇するにつれ、デジタルカメラの不振が目立ちます。
ところが、銀塩カメラ➜デジカメ➜スマホと
カメラを巡る主役が交代している中で、
富士フイルムのインスタントカメラ「チェキ」は2014年度上期
前年同期比80%プラスという驚異的な販売増を示しています。


インスタントカメラというと私が小学生の頃あった「ポラロイド」を
思い出しますが、チェキはもっとお洒落でキュートな外観です。



どれくらい急激に売れているのか、時系列で販売実績をグラフ化してみました。



2002年度に100万台あった販売台数がデジカメの普及に伴い減少に転じていきます。



デジカメの普及が進展した2004年(3月)=2003年度からチェキの売上が
減少していることが分かります。


2005年度には後継機開発中止の事態に陥りましたが、
意外な用途としてメイド喫茶で使われていました。


メイド喫茶を訪れる客がメイドと写真を撮りたがりますが、
メイドは流出、拡散しまうデジカメを嫌がっていました。
しかしインスタント写真であればOKということで
安定した需要を形成していたのです。
メッセージなどを書き込むこともでき人気のサービスで
あったようです。

その後、韓国のTVドラマや中国のモデルがブログで
投稿したことなどによって韓国・中国で大ヒットしていきます。

日本国内でも「結婚披露宴、卒業謝恩会、その他各種パーティーで
チェキはデジカメ世代の必携アイテムになりつつある」ようです。

デジタル時代、スマホ全盛時代に、ここまで若者に受容されたのは、
デジタルにないベネフィットが大きいと考えます。

チェキはインスタントカメラですから、撮ったその場で出力されます。
若い女性に未だに人気の高いプリクラと同様の効用でしょう。

そもそも20代は他の年代よりも自宅のプリンタ使用頻度が低く、
撮影した写真をプリントする比率も低いという実態があります。


Gooリサーチ「WEBサイトや写真のプリントに関する調査」平成23年

撮影した写真の保存管理方法



Gooリサーチ「WEBサイトや写真のプリントに関する調査」平成23年


20代独身女性はデジカメよりもスマホの保有率が高く、



内閣府「消費動向調査」平成26年3月


写真もスマホで多く撮影していることが類推されます。
スマホで撮影した写真をプリントアウトして共有する比率は
低率です。


撮影した写真の共有方法



20代女性はデジカメよりもスマホで写真を撮影することが多く、
撮影した画像をプリントすることが少ない環境にあると推測できます。

チェキは撮影した画像をプリントするというスマホ世代の
生活習慣にはない斬新な機器として捉えられ、受け入れられたことが
大きなヒット要因と考えられます。

執筆者:蛭川 速 / 2015.02.25