【13】先入観からの世代考察

中古車を買わなくなった若者たち②

今回も引き続き「若者たちと自動車」について考えてみたいと思います。
前回10年前と比較した20代若者たちの自動車普及率のグラフを呈示しました。




世帯主29歳以下の普及率が10年で15ポイント減少し、52%となる中で、
新車普及率の減少は1ポイントにとどまるのに対して、中古車普及率は
10ポイント減少の31%となっていました。
20代若者たちの自動車購入の実態として「中古車を買わなくなった」ことが
Factとして抽出されます。
中古車を購入しなくなったので、自動車普及率が低減したという事です。

では何故中古車を買わなくなったのでしょうか?


かんたん車査定ガイド
http://a-satei.com/se-investigation/538/
というサイトに、


「車の〇〇調査」というコラムがあり、「初めての車は新車か中古車どちらを買うか」調査を見つけました。



この調査によると男女ともに20代の若者たちの約6割が新車志向という事でした。
調査年月や調査方法が記載されていないので、参考レベルの情報となりますが、以下の仮説を立てることができます。


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昔の若者たちは中古であっても、とにかく車が欲しかった。今の若者たちは
そこまで無理をして車を購入していない。

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自動車への感心が強くないために無理をしてまで購入しないという考えがある
一方、何らかの理由があって自動車を購入するなら「新車」という意思決定をしていると考えることもできます。

ソニー損保が実施した「2015年新成人のカーライフ意識調査」によると
車に対するイメージを表す漢字として「危」「怖」という文字のランキングが高まっています。





自動車へのリスクが高まることによって、中古車が敬遠されているという
仮説が成り立ちます。

さらに同調査では「車を購入する際の上限予算」として、時系列に比較しています。







2015年の新成人は、「100万円以下」が48%と2011年と比較して
14ポイントも減少しています。
一方「200万円以上」は22%と11ポイント増加しています。
車購入の上限予算が上昇していることが分かります。

自動車は危険なものと認識しているので、安心安全と思われる
新車を購入する意向が高まっている(そのための資金を準備している)
と考えられます。


選択できる車種カテゴリーも充実しています。
同じくソニー損保が実施した「2014年 全国カーライフ実態調査」では、
主に運転している車が軽自動車である割合を示すグラフを呈示しています。


20代女性は6割へ20代男性も4割と軽自動車の普及比率が近年高まっている
ことが分かります。


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 安全性を考えて新車を購入したい

    ↓

 でも価格を押さえたい

    ↓

 軽自動車なら新車でも購入できる

    ↓

 普通車よりも維持費が安く、コスパも良い

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という図式が浮かび上がります。


車に関わる様々な事故やトラブルが報道されることによって、醸成された
若者のリスクヘッジの実態が見えてきます。

そして新車を買うことによって、不安感から解放され、維持費を含めたトータルコストで中古車よりお得である=コスパが良い。と考えているのではないでしょうか?


さらに博報堂生活定点に、消費意識を示す質問の中に
「中古品でも、気にしないで買う方だ」がありました。



これによると20代男性は全体よりも高い水準にありますが、
時系列にみると明らかに減少傾向にあります。

この意識の変化の裏には、中古品よりも新品の方が結果的にコスパが良い(高い)という意識があると考えます。



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 若者はカネを持っていない、使いたがらない

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と一方的に決めつけるのではなく、
若者たちが抱えている不安や不満の意識を深掘りすることによって
潜在的な需要を大きく広げることができると考えます。



◆2次データを活用した20代若者世代の考察についてセミナーを開催します。

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2015年2月20日(金) 16:00-18:00 受講料10,800円


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執筆者:蛭川 速 / 2015.02.05