【13】先入観からの世代考察

若者の「野心」を検証する

いつの時代も年長者の「最近の若いもんは・・・」という言い回しを耳にします。
私も社会人なりたての頃には、
「今年の新入社員は礼儀がなってない!何か考え違いしている」と言われた
ものです。(もしかしたら私だけが、世間知らずであったのかもしれませんが・・・)

若い人は(この言い回し自体が固定観念を招く要因かもしれません)
いつの時代もやる気があって、いきいきしている、フレッシュな存在ですが、
作今の新聞、雑誌やネットの記事を読むと、どうやら認識が少し異なるようです。


前回のシニアに続き、今回は若者をテーマとして固定観念からの検証アプローチにより若者の意識と行動について真相に迫っていきたいと思います。

まずは定義から。若者と一口にいっても、小学生などの子供も含めるべきか、
30代前半まで範囲を広げるのか?定義によって分析結果が異なります。
今回は分かり易く、2次データの分類基準として最もポピュラーな「20代の男女」
とします。



20代というと「ゆとり世代」というキーワードが頭に浮かびます。
ゆとり世代とは、

広義では1987年4月2日生まれから2004年4月1日まで

狭義では同1996年4月1日までとされていることが多い見解です。

96年生まれの人は19歳、87年生まれの人は27歳ですので、現在の若者の

代表的な世代はゆとり世代と言えます。

「ゆとり世代」「イメージ」というキーワードでネット検索してみると
多くのイメージ(あまり好意的でないもの)が検索されました。
検索結果と私の固定観念をミックスさせて、

20代男女、若者の生活行動や意識について先入観・固定観念を
考え付く限り挙げてみます。

その上で、若者の象徴的な意識や行動特性を挙げます。



その先入観・固定観念を検証していきます。
検証する過程で、ターゲットの思わぬ意外な行動を発掘すること
が可能となります。

若者に関する先入観・固定観念の中から1つを取り上げます。

「野心がなく安定志向」を2次データから検証してみましょう。

内閣府が実施する国民生活世論調査に理想の仕事という設問があります。
データをグラフ化してみると以下のようになります。



FactとFindingに整理してみると




固定観念通りに、「収入が安定している」や「健康を損なう心配がない」
「失業の心配がない」などの比率が高く出ています。
ただ10年前平成16年と比較すると、どの項目も比率が高く、
仕事観が多様化していると考えることができます。
その中でも社会性や高収入などが特徴的に表れています。
この事から、野心がなくなったとは言い難い状況です。



次に日本能率協会の調査結果を見ると最近の若者の特徴として、
「野心がなく安定志向」と見る事は必ずしも適切でないことが分かります。
リーダー思考は年齢が上がると比率が高まる傾向にあります。
世代の特徴ではなく、勤続年数の増減による影響と考えることができます。
また、成果主義か年功序列かという問いについては、トップボックスでの差異を
見出すことができませんでした。
どちらかというと年功序列思考が強いという程度です。





さらに博報堂の生活定点で地位についての設問を分析すると以下の通りです。



2択で選択を迫ると、若者の方が「責任ある地位」に魅力を感じていること
が分かります。
時系列で推移を見ても、ここ最近の若者が特に、「責任ある地位」の志向が
低下していると考えることはできないと言えます。

これらの2次データ分析を踏まえて、最近の若者(20代男女)の意識を
まとめてみます。


確かにデフレ不況、失われた20年の中で青春期を過ごした(過ごしている)
ことの影響から、安定志向は見られるものの、今のおじさん達が若者であった
時よりも「野心がない」とは言えないと考えます。

人生を賭ける対象として「お金」や「出世」だけでなく、
「人の役に立つこと」という選択肢が広がったと考えるのが素直な見方です。
「野心」=「出世」としか捉えられない世代には「おとなしく」見えるのかも
しれません。

今後もシニア世代と同様に、若者世代についても固定観念を検証するプロセスから
大胆な仮説を立てていきたいと思います。ご期待ください。



2次データを活用したシニア世代の考察についてセミナーを開催します。

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執筆者:蛭川 速 / 2015.01.05