【16】世代研究

ドン・キホーテの好業績の要因を分析する (3)

これまで2回にわたってドン・キホーテの経営について見てきましたが、
正直、言う事なしの経営です。

しかし、どんな企業にも課題はあります。
売上高、営業利益のデータを別の角度から分析してみましょう。

ホールディングス全体の売上を1店舗あたりで細分化してみると
どうなるでしょうか?


1店舗当たりの売上高をグラフ化すると、
今期の好業績は出店増に大きく依存する事が分かります。
1店当たり売上高は21億64百万円と、前年比3ポイント減、
営業利益は1億21百万円と、前年比5ポイントの減少です。



顧客特性に合わせて店舗業態のバラエティを多様化した結果、本来もっている
セリングパワー、高収益体制に、ほんの少しだけ陰りが見えてきているといえます。
全店の営業利益率も2013年度5.6%、2012年度の5.7%よりも微減しています。

これを発想の起点として
ドン・キホーテのビジネスモデル、非計画購買を誘発する店舗力、品揃え力
が何に起因しているかを考えると、

課題が見えてきます。


1つは人材育成です。


多様化する顧客セグメントに対応するということは、顧客属性毎に
ニーズを分析し、ついで買いを誘発するような品揃えをしなければ
なりません。

例えば従来からのメイン顧客の若者セグメントであれば
ファッション衣類とホビーの陳列を近づけるとかが有効でありましたが、
消費増税によって生活に影響を受けている主婦の消費特性とニーズは
異なります。


よく言われている事ですが、主婦は家族から「手抜き」と見られるのは
嫌だけど、家事負担を減らしたいと考えています。
そうしたテーマで売場レイアウトが構成されていたら、つい買ってしまう
と思うのではないでしょうか。


こうした売場でのアイデアはマニュアルで標準化することができず、1店1店異なる
エリア特性、顧客特性に応じて対応しなければなりません。


いかに自店顧客に「ワクワクドキドキ」を感じさせる品揃えができる人材を育てる
かがポイントになります。これは一筋縄ではいかないものです。


社員教育だけでなく、従業員のモチベーションアップも課題となります。
アニュアルレポートには、「権限移譲」を大きく記述していますが、
多様な店舗に対応するのには、それだけでなく「人件費」もかかります。



更にポストも必要となります。
ドン・キホーテの経営特性に合致した人事制度が求められると考えます。



もう1つは在庫管理の精度向上です。


これまでのように「ドン・キホーテ」単体でのターゲットに対して
品揃えをしていくのであれば経験則も活かせたと思いますが、
ターゲット顧客が多様化すると、より科学的なアプローチが求められます。
「ワクワクドキドキ」を提供できたとしても過剰在庫は経営を圧迫します。

ユニクロでは仕入れた商品全てを期間前に販売しても評価されないと言われています。
それでは機会ロスが生じていると考えるのです。
全て売れれば良いのではなく、欲している顧客全員に商品を販売するという
ことです。


品切れせず、余らせず。難しい所です。

少数の店舗であれば職人技で、
ある程度対応することはできますが多数店舗展開となると人的対応だけでは困難です。

それには過去の販売データを分析し、予測をすることと、
将来へ向けてのチャレンジすることが求められます。
CRMシステムと分析体系、仮説設定力が課題と考えます。

ドン・キホーテグループでは、2014年3月から電子マネー「majica」を
導入していますが、



電子マネー機能にポイント機能がついており、顧客満足に役立つと
ともに購買履歴から顧客ニーズの仮説設定に役立ちます。


購買実態(Fact)から、どのような仮説を見出すことができるか
ビッグデータの解析と現場での活用がこれからの課題と考えます。


重要なのは全店、業態別の消費特性を前提として、自店の顧客はどうか?
なにをフックとして顧客ニーズに応えるか?ということです。


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執筆者:蛭川 速 / 2014.12.18