【9】2次データを読み込む

データに基づくディズニーリゾートの施策展開を考える

消費増税の影響が個人消費にどのような影響を与えるのか注目されている中で、いくつかの小売業態で客単価が上昇しているという報道がありました。

2014年8月20日の日経新聞によると

以下引用部分 ----------------------------------------------------

ロイヤルホールディングスは2014年1~6月期の連結経常利益が前年同期比13%増の15億円となった。傘下のレストラン「ロイヤルホスト」で季節商品を強化したことが寄与し、既存店の客単価が5%上昇。客数が2%強減少したのを吸収し増益を確保した。


2000円台のステーキ、1000円前後の女性向けランチなどが好調で、14年12月期通期も増益を見込んでいる。

しまむらは3~5月期に客単価が3%上昇した。

マットレスが要らない「極厚敷布団」の売れ行きが好調。
5900円と従来品の2倍程度の価格だったが、快適を求める消費者の需要が強かった。
15年2月期の純利益は前期比18%増の314億円を見込む。
品質にこだわったプライベートブランド(PB=自主企画)商品を拡充しており、売上高営業利益率は1ポイント強改善する見通しだ。

ファーストリテイリングの「ユニクロ」は7月の国内既存店の客単価が前年同月比8%上昇し、12年1月以来の高い上昇率となった。
機能性の高い素材を使った肌着「エアリズム」が好調で、1人当たりの購入点数が増えた。
14年の客単価は5%前後のプラス圏で推移し、人件費などコスト増の影響を緩和した。秋冬商品から平均5%の値上げを予定しており、単価上昇が業績を支える構図が続く可能性が大きい。

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記事では客単価上昇が利益率の向上に貢献するとしています。
売上高を分解すると客数と客単価となりますが、たいていの場合、
客数が増えれば客単価が減少する、また逆に客単価が上昇すると客数が減少するというトレードオフになるケースが一般的です。

プレミアム牛めしで注目の松屋も吉野家も同様の傾向です。


【松屋フーズ】松屋フーズHPより



【吉野家】松屋フーズHPより


価格は高いが、「ちょっと良いもの」を選好する人が消費を引っ張るという構図が一般的なようです。
低価格に魅力を感じていたバーゲンハンター的な思考の人達がそぎ落とされて、(良いものには喜んでお金を払う)優良顧客を中心とした顧客構造の改善が利益水準を押し上げている効果と考えられます。


優良顧客を維持している企業の代表としてディズニーリゾートが挙げられます。
大方の流れに反し、客数が伸びでいます。客単価は前年の30周年記念グッズ販売が好調な反動で下落していますが前年が特別と考えると客単価を維持しているという企業努力を感じます。

日経新聞にオリエンタルランドの4-6月の業績について報道している記事がありました。


以下引用部分 ----------------------------------------------------

2014年4~6月期の連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が247億円と前年同期に比べ4%減少した。
13年に開業30周年イベントでグッズ販売などが伸びた反動が響いた。入場者数はプラスだった。
(中略)
入園者数は開業から30周年となった前の年の同じ時期に比べてプラスとなった。4~6月として過去最高だった。5月に始めたプロジェクションマッピング技術を使った夜のショー「ワンス・アポン・ア・タイム」などが入園者増につながったとしている。



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日経新聞朝刊2014年7月30日より

時系列の売上、利益の棒グラフを見て仰天しました。2013年はものすごく伸びた年でした。記事では前年よりも減益としていますが、高水準を維持していると見るべきと考えます。アベノミクスによる消費欲を牽引するパワーです。

では誰が牽引しているのでしょうか?
実は我が家の今年の夏季休暇はディズニーリゾートで過ごしました。
炎天下の中のアトラクション巡りでしたが、すれ違う人に共通点を見出しました。

女性です。しかも高校生!揃いのディズニーTシャツと制服のスカートを着こんで暑さにめげずパーク内を闊歩しています。
(長女いわく女子同志のペアルックや集団で揃えるのが流行りだとか・・・)

男子学生もいますが、目立つのは女子高生。
それ以外は私同様のファミリー、カップルといったところです。

このパワーは何なのか・・・
中学生の次女が帰りの車内でポツリ。
「コンビ二寄ると現実に引き返されるよね・・・」

女性は非現実感の「空間」の中で過ごしている「時間」を楽しんでいるのですね。
閉園時間がシンデレラタイムといったところでしょう。
私もそれなりに楽しめましたが、その域には達せません。
女性特有の感覚だと思います。

オリエンタルランドのHPにある客層推移を見て納得です。
男女比は3:7.道理で・・・と言える比率です。




年齢別には中人(中高生)が伸びてます。

やはり目視もひとつの目安として役立ちます。
しかしそれ以上に多いのが「大人(40歳以上)」です。




今年3月までの限定販売でしたが「45PULSパスポート」で「おとなディズニー」のキャンペーンを打っていました。

まさに定量データに基づいた施策展開が実を結んでいるではないですか。素晴らしい!の一言です。

そういえば先週、ディズニーの「アフター6パスポート」を値上げするという報道がありました。
これも客単価上昇の施策の一つだとすると、ディズニー恐るべし!です。
景気や消費マインドを敏感に感じ取り、ビジネスチャンスを取り込む経営感覚、
顧客満足やブランド展開という観点だけでなく、今後も注目していきたいテーマです。

それにしてもアトラクションに対するどん欲な姿勢には感服です。
(我が家の話ですが)閉園ぎりぎりまで目一杯、楽しむという、どん欲な姿勢、脳科学的な観点からCENTANさんに助言を仰いでみたいと思います。


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執筆者:蛭川 速 / 2014.08.22