【9】2次データを読み込む

自動車業界の現状を考える

今回は自動車業界について調べてみました。
長引くデフレでクルマ離れが叫ばれていましたが、現状はどうなのでしょうか?

まずは長期時系列の市場規模の推移をみてみましょう。
日本自動車工業会HPによると
新車、中古車、輸入車の合計販売台数は震災のあった2011年まで下降曲線を
描いていましたが、2012年2013年と回復基調にあり2年連続で1100万台を
超えています。


新車、中古車、輸入車すべて伸びていますが、特に新車の販売数が2011年比で
100万台増加しています。
アベノミクスの影響を受けて新車が売れていることが業界活性化の要因と捉えられます。

次にどれくらいの期間自動車を使用しているのでしょうか?
内閣府「消費動向調査」によると新車の使用年数は2014年3月で7.7年と2年連続で前年よりも低下しています。既存顧客の自動車購入意識が向上していることが分かります。

長引く不況で使用年数が伸びていましたが、アベノミクスで消費意欲が高まり買い替え年数が短縮した状況と言えます。

車種別にみると新車、中古車ともに「軽四輪車」の伸びが全体に好影響を与えています。

2013年に一番売れたブランドを調べてみると
 1位:アクア 262,367台
 2位:プリウス 253,711台
 3位:N-BOX(軽) 234,994台
 4位:ムーブ(軽) 205,333台
 5位:ワゴンR(軽) 186,090台


とベスト5の中で3台が軽自動車となっています。
1位2位のハイブリッドも含めて燃費の低さが選択基準にあることが分かります。

では車を購入している人はどのような人なのでしょうか?

内閣府「消費動向調査」によると、世帯主29歳以下の自動車普及率は2012年(3月)、2013年、2014年と60歳以上を下回る水準にあります。俗に言われている若者のクルマ離れは統計上にも証明されたということです。自動車業界に共通した大きな課題であると言えます。

そして普及率全体は、低下傾向にあります。前述の使用年数が短期化し、普及率が低下しているということは、新規ユーザーを獲得したのではなく既存ユーザーの買い替え頻度が向上したことが新車販売台数の増加の要因として整理できます。若年層をはじめとした入口を広げないと長期的には拡大が望めないということと考えます。

まとめると、2012年、13年と自動車販売台数は11年よりも増加していますが、中身は軽自動車やエコカーで機能性を重視して購入されています。年代別では若年層の購入が低迷しており、中長期的な課題として若者のクルマ離れに対処した施策が望まれます。燃費性能というモノサシ以外のベネフィットを訴求できない限り厳しい状況が続くと考えます。
どうしたら若者達が自動車を購入したくなるのか、次回以降で、他の商品カテゴリーの年代別の購入状況を見ながら考えていきたいと思います。


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執筆者:蛭川 速 / 2014.08.14