【9】2次データを読み込む

消費増税の影響を読む

報道では、個人消費が消費増税の影響を受けながら、ここ数か月回復しているというものを多く見かけます。(2014年7月)


景気は読んで字のごとく「景色や雰囲気」という意味があり、生活者の暮らしの上での経済的な気持ちの変化と読み取ります。

景気を判断する指標として消費者態度指数があります。その消費者態度指数が2か月連続で前月よりも増加しています。Weekly Focus 33号は消費者態度指数の変化について読み解いていきたいと思います。


消費者態度指数は内閣府が実施する消費動向調査の結果得られるもので、今後半年間における消費者の意識を表す指標です。

「暮らし向き」、「収入の増え方」、「雇用環境」、「耐久消費財の買い時判断」などについて今後半年間にどう変化するのか、消費者の考え(意識)を調査したものです。各項目について「良くなる(1点)」~「悪くなる(0点)」の5段階評価で回答してもらい、点数を加重平均して指数にします。50が指数の善し悪しの判断目安となっています。

この消費者態度指数の動きを10年間グラフ化してみると、リーマンショックや震災のあった時期に低減しています。

今回は2か月連続での増加ということで消費増税の影響から早期に回復するのではないかと期待がもてます。(5月 39.2 / 6月 40.5)

消費増税について生活者のマインドの変化を表している調査結果があります。日本リサーチセンターが2014年3月と5月に実施した調査結果を比較しているものです。
http://www.nrc.co.jp/report/140630_2.html


これによると「消費税8%への増税」について、3月調査で「納得できる」が49%であったものが、5月調査では54%と半数を超えた、としています。




また増税前3月調査で聴取した「増税による消費に対する意識」から、増税後の5月の方が影響が小さいという結果も得られています。





「消費税が8%になることで家計への影響が大きくなると思う」はトップボックスで依然として35%ですが、3月の52%よりも17ポイントも減少しています。

そして「商品やサービスの購入をこれまでよりも控えたいと思う」は3月時点でトップボックスで20%でしたが、7ポイント減少の13%に低減しています。
反対軸の「購入意向に大きな変化はないと思う」は25%となっています。

家計への影響は少なからずあるが、支出を抑える意識は少なくなってきていると読み取れます。

消費意欲への影響はひとまず沈静化したと言えるのではないでしょうか。

さらにこの2か月の指数の変化で特徴的なのは世帯年収に関わらず、全ての階層で2か月連続増加しているということです。



消費者態度指数の過去12か月の指数の推移を世帯年収別にグラフで表してみると、どの層も2か月連続で上向いており、全体的に景気が上向いてきていることが推測されます。

消費増税は低所得層に影響が出やすく不公平感が高いと言われていますが、消費増税の影響が時間経過とともに和らいでいる状況がみられます。

また年収1200万円以上のアッパー層は50ポイント目前です。(5月48.2 / 6月48.6)
アッパー層を中心に今後の景気上昇が期待できます。



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執筆者:蛭川 速 / 2014.07.11