【9】2次データを読み込む

4Kテレビの売れ行きを考える

今週、精細な「4K」番組の試験放送を始めたと報道がありました。
政府は2016年の本放送を目標に掲げているとのことです。
停滞している国内家電業界の中で、大きな期待が高まっておりますが、実際の販売はどうなるでしょうか?
メディアの大方の見方は、3Dの二の前にならぬように、業界を挙げた取り組みが必要とのものが多くみられます。3Dテレビも2011年に大きな期待を背負って話題となりましたが、業界的には販売が思わしくなかったとされています。今回は4Kテレビについて各種データを分析し、販売動向、普及状況について考えてみたいと思います。


まずは現在どれくらいテレビが売れているのか?調べてみました。
JEITA民生用電子機器国内出荷統計から抜粋しました。
http://www.jeita.or.jp/japanese/stat/shipment/index.htm

【薄型テレビ】
2009年 13,626千台
2010年 25,193千台
2011年 19,829千台
2012年  6,453千台
2013年  5,376千台

2011年7月の地デジ移行販売台数が激減しているのが実際のようです。
その中で3Dテレビはどの程度売れているのでしょうか?
【3Dテレビ】
2011年 1,340千台(薄型TVに占める割合 7%)
2012年 1,139千台(薄型TVに占める割合 18%)
2013年  888千台(薄型TVに占める割合 17%)
*薄型TVに占める割合は筆者による算出

報道にあったほど売れていないという印象は受けませんでした。テレビ自体が売れていない中で健闘していると言えるのではないでしょうか。もしかしたらテレビ需要を創造するという期待値であったとしたら期待外れであったと言えるでしょうが・・・


そもそも3Dは期待度が高かったと言われていますが
実際はどうだったのでしょうか?
みずほ情報総研株式会社2010年2月リサーチ「3Dテレビに関するアンケート」調査によると43%が意向ありでした。

確かに43%の意向率に対して、出荷に占める割合17%では物足りないものであったと思われます。


なぜこのような結果をもたらしたのでしょうか?
ジーエフケー・カスタムリサーチ・ジャパン株式会社「3Dテレビ所有者・非所有者実態調査」2011年4月リサーチによると、3Dテレビを購入した人の中で、76%が不満を感じていました。


その理由としては


1位 : 3D映像を自由な姿勢で見られない 24%
2位 : 見られる3D対応のテレビ番組の本数 15%
3位 : 本体の価格 9%

が挙げられています。

メガネと放送番組の少なさに対する不満が多くみられています。消費者不在の不便な機械といえる
でしょう。

それでも薄型テレビに占めるシェアは17%なのだから大健闘といえるのではないかと考えられます。
http://www.gfk.com/imperia/md/content/gfkcustomresearchjapan/pdffiles/3dtvstudy.pdf


3Dテレビが思ったよりも普及しなかった要因が掴めたところで、薄型TVの購入重視点を確認していきたいと思います。
マクロミル2013年1月の自主調査「家電購入に関する実態調査」
http://data.macromill.com/data/20130122_kadenkounyu.pdf
によると、薄型テレビの購入時重視点は

1位:基本性能がよい 59%
2位:価格が安い 42%
3位:メーカー(ブランド) 35%

となっています。

この結果によれば4Kはテレビの基本性能である画質が格段に向上しているわけで、購入の大きなポイントとなると考えられます。

さらに総務省の消費動向調査
http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shouhi.html
によるとカラーテレビの平均使用年数は2014年3月で6.3年と前年の7.9年から1年6ヶ月程短くなっています。



2015年3月までの間に購入する人を逆算すると、地デジによって薄型テレビがブレイクし出した2009年に購入したヒトが対象となります。
そういった観点からも、4Kテレビは普及が進展するのではないかと考えられます。

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執筆者:蛭川 速 / 2014.06.06