【10】フォーカスマーケティング

マクドナルド再浮上のポイント

フォーカスマーケティング第二弾は、ケーススタディとして「マクドナルド再浮上のポイント」を考えるとして日本マクドナルドの最近の戦略展開について考えてみたいと思います。

(1)マクドナルドの業績が思わしくない

2013年8月に日本マクドナルドの社長としてサラ・カサノバ氏が就任して、7か月が経過していますが、業績は厳しい状況が続いています。
4月7日、3月の既存店売上高が前年同月比2.6%減少したと発表しました。
2か月連続で前年実績を下回り、客数は8.3%減と11か月連続のマイナスと業績回復が遅れています。
「てりたま」シリーズや「クラシックポテト」など新商品を展開していますが、いまひとつの評判と業績回復の起爆剤として成り得ていません。

一方、牛丼チェーンでは、吉野家の既存店売上高は2014年3月において前年同月15.5%増となり6か月連続のプラス、すき家も9.1%増と2か月連続で伸ばしています。マクドナルドと対照的です。


両社とも昨年12月と今年2月に発売した高単価の鍋メニューが貢献した結果となっています。
春先になり鍋もののシーズンが終了した後、消費増税で牛丼並盛を20円高い300円としても、現在のところ大きな影響が出ていない、という程回復しています。





(2)吉野屋とマクドナルドの大きな違い

商品力の強さにつきると思います。「牛丼の吉野家が出す、すき焼き鍋ってどんなにおいしいだろう」という期待を抱かせますし、実際に期待通りの満足度を提供できている、という事だと思います。

大事なのはターゲットに対する期待と満足のバランスが上手くいっているということです。

マクドナルドも朝食市場に焦点を合わせて「ビッグブレックファスト」を投入しています。
マフィンとソーセージパティ、ハッシュポテトにスクランブルエッグがワンプレートで楽しめる、というものです。

この組み合わせに新規性を感じるでしょうか?驚きがあるでしょうか?

同時に発売された「ビッグブレックファスト デラックス」は更にホットケーキが3枚もついており、ボリュームには驚かされますが、それだけの気がするのは私だけでしょうか?

ビッグブレックファストは399円~419円、
ビッグブレックファスト デラックスは599円~619円です。



単純な価格だけで比較すると、デニーズのセレクトモーニングはお好みドリンク付きで552円という価格帯で、8種類のメニューから選択することができます。

デニーズのHPをご覧ください。こちらから

マクドナルドよりもゆったりと落ち着いた朝食をとれることを考えると、朝食をとる際の価値としては物足りなさを感じ得ません。
小さなお子さんと一緒にシェアできる「ビッグブレックファストデラックス」のコストパフォーマンスは高いかもしれませんが、絶対的な価値とは思えません。



(3)ファミリーにターゲットを絞ったのはいいことだと思うが・・・

かつて弊社HPでもマクドナルドの復活戦略として提言しました
こちらからご覧ください
が、全店売上35%を占めるファミリーセグメント(サラ・カサノバ社長)に着目したのは正解だと思います。
朝マックキャンペーンのCMでベッドの中で「今日はもう少し寝ている、だって休日だから・・・」にある通り多忙なママのニーズは確かにあると思います。
それが、驚きと楽しさを与えられているかどうか?ということが重要だと思うのです。
「ビッグブレックファスト」の商品力の物足りなさを残念に感じてしまいます。



(4)結局ポジショニングが甘い

STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)とオーソドックスな手順を踏んでいますが、ターゲットのハートを掴む魅力的な商品構成となっていないことがいま一歩復活しない大きな要因と思います。

月8回休日があるとして、マックに月3回以上行くだろうか?
次も来たいと思わせる何が足りない、という事です。

起死回生の戦略を考えると、ターゲットを更に細分化し、シンボリックターゲットに合わせた経験価値を醸成することが不可欠と考えます。

「G.W.は家族でマックへ行こう!」キャンペーンでもファミリー市場を強烈にアピールしていますが、ハッピーセットのおまけは相変わらずキャラクターの玩具です。

親の気持ちとしたら、その場だけの消耗品としての「安っぽいおまけ」、としか認識されていないのではないでしょうか。

親の立場で考えて、月8回の休日の朝の3回に1回は行ってみたいと思わせるような、「しかけ」が必要なのではないでしょうか?

例えばスポーツや文化、歴史などクイズに答えていろいろなコトに興味を持たせるイベントや企画を行えば、楽しいだけではなく「ためになる場」としてマックが位置付けられるのではないでしょうか?
知育玩具とのコラボやネットの使い方をシリーズで体感できるものを提供するのも有効と思います。

子供の立場でもいろいろと考えられます。
アスレチックなど遊具を充実させて、攻略が難しいものがあれば次も行きたい、また行きたいという気持ちが醸成されるのではないか・・・と考えます。

以前にも記述しましたが、「お得な朝食、以外の価値を構築すること」が最重要課題であると考えます。

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執筆者:蛭川 速 / 2014.04.18