【10】フォーカスマーケティング

掃除機市場を考える

掃除機市場を考える
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弊社の社名そのままですが、今回は商品の用途を絞り込んで、特定の使用シーンに焦点を当てて成功している掃除機市場について考えてみたいと思います。

少し長いですが、日経MJの記事をお読みください。

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掃除機の国内市場が拡大している。日本電機工業会によると2013年の掃除機出荷台数は前年比2.6%増の538万台。
ロボットタイプとスティック型がけん引している。
Gfkジャパンの調べではロボットタイプの昨年の販売台数は前年比13%増。
スティック型も同73%伸びた。
成熟市場と言われた掃除機だが、新しい需要を開拓したのは海外勢。
米アイロボットの「ルンバ」、スティック型ではスウェーデンの「エレクトロラックス」、布団専用は韓国「レイコップ」が売れ筋。


国内メーカーは従来型の性能と機能の向上で買い替えを促してきたが、新しい需要を生み出せないでいる。
国内メーカー製品が高機能化して複雑になる一方、機能を絞り込んだ海外製品がユーザーの心をつかむ。
性能を重要視する発想にとらわれ、消費者ニーズに寄り添わずにいるとテレビやパソコンだけでなく生活家電でも苦境に陥る可能性がある。

(「掃除機の国内市場拡大」2014.2.26日経MJより)
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製品は市場導入期においては少機能ですが、競合企業が出現し、成長期、成熟期へ入るに従って、多機能化や高品質化、低価格化が進展していきます。
携帯電話も当初は電話だけの機能でしたが、メールすることができるようになり、カメラが付き、電子マネー、インターネットへと機能が増えていきました。
ところが一定時点を超えると多機能、高品質だけでは需要を増加させることがなくなり、逆に用途限定、専門商品に対するニーズが高まってきます。
スマホも通話のしづらさや電池の持ち時間などから、フィーチャー・フォン(ガラケー)に回帰する傾向がみられます。
ロボット型掃除機は家にいる時間が短く掃除時間を捻出することが難しい一人暮らしの若者や、体力的に掃除がきつくなってくるシニア層の絞り込まれたニーズにフォーカスしていると言えます。

株式会社マーシュが2012年5月に行った「ロボット掃除機に関するアンケート」
http://www.marsh-research.co.jp/pdf/marsh_research_20120531.pdf によると

「掃除が好きという人のロボット掃除機の購入検討者層が多い(51%)」という結果が出ています。(掃除が普通な人31%、嫌いな人31%)

掃除好きというかキレイ好きな人で、時間的体力的に従来の掃除機を使用することが困難な人のニーズを的確にとらえていると言えるでしょう。



残念なのはキレイ好きというイメージ(私の勝手な認識ですが)の日本から布団専用掃除機の発想が出てこなかったことです。

「レイコップ」は、ふとんを紫外線で照射し除菌すること、ふとんを叩いてダニやハウスダストを叩き出すこと、ダニやホコリを吸い込み本体内のフィルターに通すことで、1台でふとんをキレイにすることを狙っている商品です。
2007年に韓国のBukangSems(ブカンセムズ)社より発売され、現在世界24カ国で累計250万台販売しています。
日本では2009年から発売されており累計販売台数は50万台です。
花粉症やアレルギー体質の方ばかりか、その効果の大きさ(吸われたハウスダストの多さを見て)から購入した人も多いのではないでしょうか。
布団専用と銘打っているように完全に機能限定商品です。
昨年10月に日本で発売された『レイコップRS』は定価2万9800円です。
通常の機能の掃除機が1万前後で購入できるのと比較するとフォーカスしたことによる価値を訴求したコンセプトの勝利と言えるでしょう。


ではMJの言うように国内メーカーは上記のような潜在ニーズを掴めていないでしょうか。私はそうは思いません。
私の愛用する「ポケットドルツ」は家庭外での歯磨き習慣に着目した素晴らしいコンセプトの商品だと思います。
前述の会話専用ガラケーもヒット商品となる可能性が高いものだと思います。


ネットを検索してみると生活者の掃除に対する潜在ニーズを収集することができます。
マーケティング情報を扱うリサリサ http://www.lisalisa50.com/
で「掃除」と検索をすると、掃除に関するリサーチデータがいくつか出てきます。


「家の掃除についての調査(2013年実施)」http://www.nrc.co.jp/report/131226.html
によると、「汚れが気になる」と「掃除が面倒だと思う」両方の比率が高いものとして

「窓ガラス・サッシ(39%/35%)」
「キッチンの換気扇(42%/52%)」
「冷蔵庫の中(35%/24%)」

が挙げられます。
水回り系や油処理など技術的、機能的な工夫が必要ですがフォーカスする余地はありそうです。


またリビングくらしHOW研究所の「家電に関するアンケート(2014年1月)
http://www.kurashihow.co.jp/admin/wp-content/uploads/2014/02/f5982f4b57639beb651a54c964f4916a.pdf
によると

「4月までに、買う買わないは別にして、気になっている家電」として
1位ノンフライヤ―(26%)
2位冷蔵庫(20%)
3位掃除機(19%)
4位パソコン(17%)
5位電子レンジ(16%)
が記載されています。

年代別の内訳で特徴があるのは、1位のノンフライヤー、4位パソコンで40代の意向比率が高いことです。(ノンフライヤー28%/パソコン21%)
40代の生活実態(食生活・仕事環境)や、家電の使用シーンを研究することで、機能限定専用商品の可能性はあると思います。

生活者の潜在ニーズに響くコンセプトに期待したいと思います。

いかがでしたでしょうか。
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執筆者:蛭川 速 / 2014.03.01