【9】2次データを読み込む

マーケティングリサーチを再考する

貴社はマーケティングリサーチに依存し過ぎていないでしょうか?


確かにマーケティングリサーチ、特に最近全盛のインターネットリサーチは、低価格、短期間に多くの調査サンプルを集めることができる優れた手法だと思います。
ただリサーチは検証することには使えても、探索することには向いていない手法と言えます。
自社で発案した画期的な商品がどの程度受けいれられるのか?受容性を検証する場合には、最終意思決定を顧客からの評価で行うのに有効です。


ただ顧客から欲しいものは何ですか?と探索するのにはあまり有効な手段とは言えません。
リサーチから本質的なニーズや価値あるニーズを探索することは困難なのです。
本田宗一郎さんも言っております。以下「やりたいことをやれ」より引用
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市場調査は、ある意味で有効だと思う。たとえば、既成の製品の評判を探ろうという場合である。
だからといってそれを基礎に改良品を出して売れるかといえば、それは判らない。ましてや独創的な新製品をつくるヒントを得ようとしたら、市場調査の効力はゼロとなる。
大衆の知恵は、決して創意などは持っていないのである。
大衆は作家ではなく批評家なのである。作家である企業家が、自らのアイデアを考えずに、大衆にそれを求めたら、もう作家ではなくなるのである。
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そもそも顧客が画期的なアイデアを有しているのであれば、その顧客はヒット商品メーカーとなり得てしまいます。
そうならないということは、「顧客に聞いても分からない」となるわけです。

古くはウォークマン、最近ではiPhoneも顧客が欲しいといった商品を企画してヒットしたものではありません。

2013年にヒットした資生堂FWBも同様です。「化粧落としが面倒」という多くの女性の本質的なニーズを解消するための化粧下地で、夜帰宅して化粧を落とすのに洗顔するだけでOKという商品です。水にはなじまずお湯だけに反応する素材を開発し実現したものです。これなども顧客に聞いて発想される商品ではありません。



要するに
潜在ニーズをいかに掴むか!

ということが重要なことで、それはネットリサーチからは得ることが困難であるということです。

何故ならば潜在しているニーズは顧客自身でも気づいていないことで、当たり前の事として認識しており我慢していること か 全く世の中にないもので、あったら便利と感じているものであるからです。

ではどのように潜在ニーズを探し出したら良いのでしょうか?

私の答えは、「顧客を理解する」ことにあります。
これは顧客がどのような状況(生活シーン・状況)にあるのかということを
顧客の立場で考える事です。

顧客を理解するには、2次データを活用すれば充分です。インターネットには多用なデータがあります。国会図書館に行けば無料で国内出版のほとんど全ての雑誌・書籍を目にすることができます。
この2次データの中から、Factデータを探索し、仮説設定していくのです。

例えばシニア世代を狙って商品を開発しようとする場合には、シニア世代の人達がどのような生活を送っているのか?行動実態を数字で押さえていきます。
ネットで検索すると、いくつかの特徴的なデータが手に入ります。

その中から60代が「ウォーキングをしている」というFactを掴みます。
他の年代と異なって行われている事実に着目するのです。

平成23年社会生活基本調査より)

そして何故ウォーキングしているのかを掘り下げて考えていきます。
健康のため」ということがまず頭に浮かぶと思います。
それだけですと極普通なことですが、フィットネスクラブやジョギング、他のスポーツなど、いくらでも健康になるための手段がある中で、何故ウォーキングであるのか


それは「ウォーキングをすると頭がすっきりするから」とか「お金がかからずにすることができる」や「無理なく続けられる」といった要因が想定できます。
このように考えていくと、これまで着目していなかった「顧客の状況」を理解することができるのです。
さらに深掘りした要因が本当に言えるのか定量データで検証していくことで仮説の精度を上げることができます。
この一連の「顧客を理解する」というプロセスによって潜在ニーズを探索することができます。

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執筆者:蛭川 速 / 2014.02.21