【9】2次データを読み込む

コンビニコーヒーのヒット要因を考える

セブンイレブン・ジャパンが2013年1月から始めたセルフ式ドリップコーヒー「セブンカフェ」の100円コーヒーが大ヒットしています。
スタート時には1日1店舗あたり60杯、年間販売目標を3億杯と発表しましたが、わずか8か月で全1万6000店への導入が完了し、販売見込を4億5000万杯としました。これまでトップであったマクドナルドの年間3億杯をも上回り、日本で最もコーヒーを売る企業になったのです。



このほかローソンは店内カフェを2014年2月までに国内全店の半分(約5600店)、ファミリーマートは2014年秋までに国内全店(約9600店)に導入する計画を打ち出しています。

すっかりドリップコーヒーの販売チャネルとして、定着しつつあるコンビニコーヒーですが、何故ここまで成長したのでしょうか?どのようなターゲットの、どのようなニーズを取り込むことで需要を拡大することができたのでしょうか?マーケティング視点で整理してみましょう。

要因を検討する際に、初期仮説を考えてみましょう。初期仮説は思いつきでも構いません。コンビニエンスストアでドリップ式レギュラーコーヒーがヒット要因として以下の3つを考えてみました。
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① スターバックスなどのコーヒーショップの売上を奪取した
② 缶コーヒーの売上を奪取した
③ インスタントコーヒーの売上を奪取した
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①ですが、インターワイヤードが2013年2月に実施した調査によると、よく利用するコーヒーチェーンのトップはスターバクスコーヒー(2013年3月現在985店)で66%、ついでドトールコーヒー(2013年10月現在1094店)で55%、タリーズコーヒー(2012年4月現在461店)22%と続きます。

多くのコーヒー好きが利用するスターバックスコーヒーの業績を見てみましょう。セブンイレブンでドリップコーヒーを始めた2013年1月から9月まで、売上高、客数、客単価において、前年を下回ったのは9月の客単価のみで、かなり順調に業績が推移していることが分かります。

次にドトールでは、2013年1月から10月までの全店売上高は10か月中9か月が前年比マイナス、全店客数では10か月全てが前年比マイナスとなっています。ドトールコーヒーはコンビニコーヒーの影響を受けているように見受けられます。

タリーズの月別業績は残念ながら公表されていませんでしたが、平成25年4月期の業績は売上高205億円と前年を7%増加している状況にあります。5月以降の影響は分かりません。

日本で最も多い店舗数と人気を誇るコーヒーショップのツートップ、スターバックスとドトールの業績からは明確にコンビニコーヒーの影響を受けているとは言い切れない状況です。ただ仮説としては、高価格帯のスターバックスは影響を受けていないが、低価格帯のドトールはその影響を受け始めている、ということは言えるかもしれません。出店計画は未公表ですが、2013年4月に500店を超え、8月現在516店のコメダ珈琲はフルサービスの喫茶店としてシニア層の支持を得ていますが、コンビニコーヒーの影響は受けていないように見受けられます。コーヒーショップも多様化しており、いくつかのセグメント別に影響が出ていると考えるのが順当であろうと考えます。

②の缶コーヒーの売上を奪取したのではないか、という仮説については、残念ながら現時点での検証はできない状況にあります。全国清涼飲料工業会の「清涼飲料品目別生産量推移」を見ると2012年までの趨勢は横這い、やや増加傾向にあると読めます。


顧客視点で考えると、コンビニエンスストアで食品などを購入し、缶コーヒーを購入しようとした場合、120円の缶コーヒーよりも100円のドリップコーヒーを選択する可能性は高いのではないかと考えることができます。そう考えると2013年の生産量は、コンビニコーヒーの影響を受けて減少傾向にあるのではないかと考えられます。ただ現時点では確固としたエビデンスが得られている訳ではありません。

次回は仮説③を検証するとともに、アンケート調査の結果から、コンビニコーヒーのヒット要因に迫りたいと思います。


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執筆者:蛭川 速 / 2013.12.01