【7】Fact Finding

⑥まとめ と 今後の戦略展開

これまで3回にわたってマクドナルドの業績低迷について考えてきましたが、最終回は要因を整理するとともに今後のマクドナルドの戦略について考えていきたいと思います。

【マクドナルドの業績低迷の要因】

①外食市場の落ち込み:弁当や総菜を強化するコンビニとの競争激化が響いた。
②高価格商品の不振:12年の「世界のマック」が不発で夏場の販売が伸びなかった
③客単価が前年比減少:コーヒー値下げ効果があって客数は前年増だが他の商品を購入する動きがみられなかった

分析を進めると①については、CVSの好調要因は主婦を中心とした中食化が進み、SMDrgsから顧客を奪取したとみられるため、直接の影響は少ないと考えられます。②③が現象面としての大きな原因と言えるでしょう。では根本要因を追究していくとどうなるでしょうか?

コーヒー無料券や100円マックなどの低価格訴求のキャンペーンで誘因し、来店客に対してクロスセル、アップセル(用語集参照)を促すという戦略モデルが通用しなくなった

と考えることができます。この根本要因を更に要因分析していくと、どうなるでしょうか?


外食チェーンの多様化によって、これまでマクドナルドの強みが発揮できたポジショニングが中途半端なものになってしまったことが大きな要因と考える事ができます。

マクドナルドの提供する価値は、以下のように挙げられますが、このうち、「安さ」や「仲間と長時間滞在」といった価値は前述の牛丼チェーンやファミレスに代替されていると言えます。

こうなると外食中食市場においてマクドナルドの立ち位置が不確実なものとなり、競合優位性は発揮できなくなってしまいます。問題の本質はこの辺りにあるのではないでしょうか?

 

 【戦略の方向性】

以上業績低迷の要因について分析をしてきました。では今後は、どのような戦略をとっていったらよいのでしょうか?中途半端になってしまったポジショニングを再構築することから考えていきたいと思います。まずはマクドナルドの強みと弱みを整理してみましょう。細かくはいろいろと抽出できると思いますが、大まかに整理すると以下のようになると仮定します。

次に顧客層について整理すると以下のようになります。⑤⑥は構成比は低いかもしれませんが、①~④の相当な割合がマクドナルドの主要顧客と言えると思います。

これらの資源(強み・顧客層)を活かして、他の外食チェーンや中食提供企業との競合優位を確立するには、他社にない独自の価値であって、顧客が望むものを創造する必要があります。以下のようなポジショニングを考えてみました。

このポジショニングにのっとり、マクドナルドの持つ「あらゆる年代の生活者に価値を提供する」というブランド特性を活かすと、例えば、ファミリー層に対する『地元のテーマパークとしてのマクドナルド』、若手社会人に対しては『ミュージックステーションとしてのファストフード』などが発想することができます。オフターゲットかもしれませんがシニア層に対しては、『懐かしの昭和空間で集うカルチャーセンター』というのも良いかもしれません。

中途半端になってしまったポジショニングは、再構築する必要があります。マクドナルドの現状は正にその危機に立たされていると言ってよいと思います。単に安くておいしい食事であるならば、マクドナルドの優位性は築けない。思い切って経験価値を高めるようなサービス事業とのコラボレーションが必要と考えるわけです。

いかがでしょうか?皆さんはどのように考えますか?ご意見をいただけると嬉しいです。

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執筆者:蛭川 速 / 2013.03.28