【7】Fact Finding

⑤若者の外食に関して

前回は、マクドナルド不調の要因として、マクドナルドの顧客が、CVSの食材購入(中食)にだけ流出したのではないのでは?ということについて考えてみました。では若者はどこで食事をしている(外食)のでしょうか?東京都が実施した「平成24年度第1回インターネット都政モニターアンケート結果 都民の食習慣と外食・中食の利用状況」からデータを探ってみました。


【図1】昼食の外食・中食の利用状況

これによると、20代は、昼食を「ほとんど毎日」「週に3~4回」外食・中食利用している人39%3040代と同水準であることが分かります。性年代別のデータがないのは残念ですが、若者の昼食は、約4割が外食か中食(恐らく中食はCVSなどが相当するものと考えられます)で賄われており、その意味でマクドナルドのターゲット顧客層であることは間違えなさそうです。

次に平日の昼食で外食・中食を利用する場合、11回あたりの平均金額を表した図2を見てください。

【図2】外食・中食で使用する金額

20代は他の年代と比較すると平均金額は低く、「500円未満」で37%を占めており、ワンコインの需要が高いことが分かります。しかし一方で「500円以上800円未満」も40%、「800円以上1000円未満」も15%存在しています。合計すると半数以上がワンコインよりも予算を高く有しているということです。

整理してみましょう。若者はお金がないからワンコイン需要に対応して低価格のキャンペーンを実施してお得感を全面に昼食需要を獲得しよう!とした考えは、全体の37%にしか響かないと言えます。

更にワンコイン需要にしても、牛丼各社の価格競争は熾烈を極めており、大手3社ともワンコインを切った価格体系となっています。(金額は各社HPより記載。2013年3月14日現在)

吉野家(牛丼並)

380円(消費税別)

松屋(牛めし並)

280円(消費税別)

すき家(牛丼並)

280円(消費税別)

マクドナルドで牛丼と同レベルの食事をしようとすると、平日限定マックランチが該当すると思いますが、以下のような価格帯です。

メニュー

てりやきマックバーガー
+ポテトS+ドリンクS

フィレオフィッシュ
+ポテトS+ドリンクS

チキンマックナゲット
+ポテトS+ドリンクS

価格

390

390

390

メニュー

てりやきマックバーガー
+ポテトM+ドリンクM

フィレオフィッシュ
+ポテトM+ドリンクM

チキンマックナゲット
+ポテトM+ドリンクM

価格

450

450

450

メニュー

ダブルチーズバーガー
+ポテトM+ドリンクM

ジューシーチキンフィレオ
+ポテトM+ドリンクM

ビッグマック
+ポテトM+ドリンクM

価格

500

500

550

価格と満足度を考えると微妙なところと思われます。満足度は人によって感覚が分かれるところですが、牛丼チェーンには及ばない価格設定と言えるでしょう。

一方の500円以上800円未満の価格帯ではどのような外食と競合するのでしょうか?

 (金額は各社HPより記載。2013年3月14日現在)

デニーズ「日替わりランチ」

680円(消費税別)

ガスト「日替わりランチ」

499円(消費税別)

サイゼリア「日替わりランチ」

600円(消費税別)

ビックマックセット*

650円(消費税別)

*ポテトMとドリンクMがセット内容。価格A(東京都、神奈川県、京都府、大阪府

こちらも満足度は人それぞれですが、単に価格だけを比較するとファミレスに引けを取っていると言わざるを得ません。更にファミレスのゆったりした空間で、昼食を食べられるということからすると、ビックマックセットの価格は非常に厳しいと言えます。

 

若者の昼食需要は確かに存在しているが、昼食市場におけるマクドナルドは、価格では牛丼チェーンに、食の充実感と空間的なベネフィットではファミレスと競合負けしており、非常に中途半端な状況にあると言えます。次回は最終回、現状の要因整理と今後の戦略について考えてみます。

執筆者:蛭川 速 / 2013.03.14