【7】Fact Finding

④マクドナルドの顧客はどこへ行った?

前回はマクドナルドの業績低迷の原因について日経新聞の記事から考えてみました。今回は、同時期のコンビニエンスストア(以下CVS)の業績について考えてみましょう。結果から言うとCVS大手3社とも非常に良好であったようです。

【ファミリーマート3年連続営業最高益(20121211 日経新聞朝刊より)】20123~11月期の連結営業利益は前年同期比3%増の360億円前後。既存店売上高は1%減とやや苦戦したが、新規出店に加え、プライベートブランド商品(以下PB)の品ぞろえを充実させた効果が出た。インターネット通販子会社も好調で、収益拡大に寄与した。主婦層などを狙い、6枚で118円の食パンや188円の豆腐などを投入。同時に味や素材にこだわった高価格帯の商品も強化した。レトルト食品で1268円のカレーや、マイタケやマツタケ入りの178円の味噌汁などを発売。調味料や洗剤などの品ぞろえも増やした。インターネット通販を手掛ける「ファミマ・ドット・コム」の利益も伸びた。2000年の設立で、北海道の毛ガニや長崎県のタイ茶漬けなど地方の名産品の品ぞろえを充実させて販売拡大につなげた。


【スーパーやドラッグ店コンビニが浸食(201325 日経新聞朝刊より)】日経新聞社が20~60代の男女1000人に尋ねたところ、4人に1人はコンビニに1週間当たり3日以上行くと答えた。コンビニの利用回数を増やす一方、スーパーやドラッグストア・薬局に行く機会が減った。と回答した消費者は2割に達した。コンビニに週3日以上行くのは28%。男性は41%、女性は16%。週1日以上では58%。うち18%1年前よりコンビニに行く回数が増えたと答えた。男女別では、女性は19%、男性は17%。コンビニの利用を増やした消費者の74%が「近さ」、61%が「24時間営業」を理由に挙げた。セブン-イレブン・ジャパンでは「近隣にスーパーがない主婦の利用が増えている」という。PBの納豆の売れ行きは前年比3割増。ポテトサラダなど惣菜の売上も5割増で推移。ファミリーマートのサンシャイン南店では周囲には複数のスーパーがあるものの、主婦層を中心にカット野菜など生鮮品の売れ行きが伸びている。ファミリーマートでは20125月にカット野菜の取り扱いをほぼ全店に広げ、品揃えを増やしている。ローソンも1210月から、ほぼ全店でカット野菜と冷凍肉の販売を始めた。

CVSの業績好調の大きな要因として、自宅で調理済食材を食べる内食需要に上手く適合できたPBが大きな要因と考えられ、対象顧客は主婦とみています。主婦の中でも低価格商品を買い求める節約志向層と、こだわり食材を求める中高流層の両方の需要を取り込んだことが大きな要因であったと考えられます。

さてここからマクドナルドに戻って考えるとどうなるでしょうか?

日経新聞201328日に記載されている、マクドナルドの発表資料では業績低迷の理由(前回コラム参照)として「外食市場の落ち込み:弁当や総菜を強化するコンビニとの競争激化」とあります。マクドナルドのヘビーユーザーが仮に主婦だとしたら、CVSとの競合に敗れた。マクドナルドへ家族と一緒に行く代わりにCVSで惣菜類を購入し自宅で食事を摂る頻度が上がったとなります。ところがCVS業績好調の要因としては、主婦層がスーパーやドラッグストアへ行く代替手段としてCVSが取り込んだと分析されています。恐らくCVSPBを購入する節約志向の主婦はマクドナルドからCVSへ流入したと考えられますが、それは一部であってマクドナルドが失った顧客層は別にあると考えるのが順当と言えそうです。

以下はインターワイヤードが実施したインターネットリサーチの結果(20114n=11,587)ですが、ハンバーガーショップを週1回以上利用する層は、男性20代が最も多く18%。女性も20代が12%と最も多く、主婦と考えられる女性30代で10%、女性40代で9%、女性50代で6%と年代があがるにつれて減少しています。

マクドナルドだけでなくハンバーガーショップ全般の調査結果ですが、どうやらヘビーユーザーは主婦ではなく若者のようです。

ということはマクドナルドが取逃した大きな顧客は誰なのでしょうか?次回はハンバーガーのヘビーユーザーとして考えられる若者の食事について考えていきたいと思います。

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執筆者:蛭川 速 / 2013.02.24