【7】Fact Finding

③マクドナルドの戦略からマーケティング仮説を考える

日本マクドナルドホールディングスは201327日、201212月期の連結経常利益が前期比14%減の237億円だったと発表しました。(日経新聞201328日付)経常減益は7年ぶり、売上高は3%減の2947億円と9年ぶりに3000億円を割りました。デフレ化の消費環境の中にあってこれまで善戦していたマクドナルドの不調の原因は何でしょうか?まずは日経新聞の記事にあるマクドナルドの発表資料を整理してみましょう。




①外食市場の落ち込み:弁当や総菜を強化するコンビニとの競争激化が響いた
②高価格商品の不振:12年の「世界のマック」が不発で夏場の販売が伸びなかった
③客単価減少:コーヒ値下げ効果があって客数は前年増だが他の商品を購入する動きがみられなかった

2010年「ビッグアメリカ」クラスの高額ヒット商品(400円程度)を輩出することができず、低価格キャンペーンで集客した顧客に対してクロスセリングできなかったことにより、中食化という外食産業における大きな脅威に対応できなかった。ということのようです。

さらに発表では20134月以降に(現状を)大きく巻き返す戦略で以下の3点を基本方針としています。

①定番品の販売拡大:ビッグマック、朝食メニューの認知度を高める広告や高価格商品を購入すると景品が付くキャンペーンを実施する

②定番品のプロモーション資金を捻出:開発や販促に費用がかかる新商品を大幅に減少させる。大規模な割引キャンペーンもやめる

③最適な価格体系を探る:最低価格のハンバーガーを20円値上げ、ポテトを60円値下げなど(九州・山口の5県で1月に実験)

低価格キャンペーンには招からざる客(バーゲンハンター)が数多く反応し、「ついで買い」してくれない。だから定番品に商品を絞り込んで、ご贔屓にしてくれるロイヤルカスタマーへ焦点を合わせた戦略に転換する。朝食市場にスポットを当てることで外食市場の低迷を回避するということのようです。

さていかがでしょう。マクドナルドの業績低迷要因と戦略の方向性は有効に機能するでしょうか?大きな課題として挙げられている「客単価の増加」を定番品への注力、利用シーンの拡大(朝食市場)でカバーできるのでしょうか?市場の状況(変化)に合わせて焦点を絞った活動に転換するという考え(Focus)は弊社の社名にもある通り、個人的には素晴らしい発想であると思いますが、マクドナルドを巡る事態は、もっと根深い要因にあるように思います。

マクドナルドの低迷のニュースと同時期にコンビニエンスストアやスターバックスの好調さが報道されています。次回はコンビニエンスストアの業績好調要因を分析することでマクドナルドの今後の戦略仮説を考えていきたいと思います。

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執筆者:蛭川 速 / 2013.02.11