【5】団塊シニア男性の消費を活性化させるには

④団塊シニア男性の琴線に触れるキーワード

琴線に触れるキーワードとして団塊男性に問うたところ、「いっそもっと輝こう」(53%)「いろいろ自由にチャレンジ」(76%)「現状に満足 せず、さらに充実した人生」(67%)「年を重ねることをポジティブに」(65%)などシニアであることをチャレンジングで前向きな事と感じさせるキー ワードにスマートシニアは反応している。

【図21】琴線に触れるキーワード


上記のキーワードをみると、シニアであることは、退職後の生活がイメージされるような、従来型の隠居生活的なものではなく、これからもっと人生を充実させ ていきたいという非常に前向きな意向であることが読み取れる。実際には60代後半ともなれば70代がもうそこまで来ているということで(当然だが)人生の 最終コーナーという事実は拭えない。だからといって大人しく余生をつつがなく暮らすというのでは寂しすぎる。まだまだ若い頃のように情熱をもってモノゴト に取り組みたい。チャレンジしたいという志向プロセスであると考える。

これらは団塊男性のプライドの高さと密接に結びついていると考えられる。団塊世代の生活意識・人生観を聞いた質問では、スマートシニアの特徴として 「団塊世代として画一的に捉えられたくない」が74%と他のクラスターよりも高い数値を示しているのが端的にプライドの高さを表している。

【図22】団塊世代の生活意識・人生観

団塊世代は他の年代と比較して非常に多くの人数がいる中で、受験戦争や出世競争など同年代と数々の競い合いをしてきた。自分はその中で他者よりも頑 張って勝ち残ってきたんだという気概を持っているものと考えられる。また同質問では「団塊世代ということに誇りを持っている」も他クラスターよりも高く 59%であった。一見相反することを意味するように見えるが同世代の中では勝ち残ってきた勝者としての自分がいて、そのことを一括りにはされたくない。し かし他の世代よりも日本経済の成長を担ってきたのは自分達であるという意識が強く、団塊世代というキーワードに対して、どこか誇らしげな認識が見え隠れす るということであると考える。

そんなプライドの高い彼らであるから、以前の世代のように「ただ年老いて第一線を退くのは自分として許せない」のではないか。だから前向きでチャレンジングな意識を醸成するキーワードに反応するのだと思われる。

執筆者:蛭川速 / 2012.12.23