【6】マーケティング仮説の設定プロセス

⑤特異点を設定する

Factを抽出し、各データを多方面から分析した後は、データの「特異点」を設定します。特異点とは読んで字のごとく、それまでの傾向と異なっている点であり、ターニングポイントや異常値を示す事象を意味します。

長期間のトレンド分析を行うと、ある時点を境にして減少傾向に変化したり、反対に増加傾向が見られることがあります。そういった目立ったデータの変 わり目(ターニングポイント)には必ず大きな環境変化があると言えます。そこにマーケティング上のヒントが隠されているということです。【図12】はビー ルの売上推移を示すグラフですが、1994年まで順調な売上増加傾向にあったのが、以降減少傾向をたどります。グラフを見ての通り発泡酒や、その後に投入 された第三のビールに売り上げが取って代わられます。この場合の特異点は「発泡酒・第三の需要の増加」と読むことができます。それまでメーカー間の価格差 がない画一的な価格設定であったビールが、価格破壊によってコモディティ化していく大きなターニングポイントであったと言えます。



【図13】は同じくビール類のデータですが、ビールや発泡酒の売上が低迷する中でひときわ大きな増加傾向を示しているのがプレミアムビールです。他のカテ ゴリーとは明らかに違った傾向を示しているものも「特異点」として設定できます。この場合は「異常値」として「何故そのような傾向になったのか?」要因を 分析することで顧客の状況を探索することができます。

【図14】も特異点の代表的な事例です。他の支店のように市場成長率に影響を受けず、独自の成長をしている広島支店には何か特別の事情がありそうです。広島支店の実績の作り方を探索することによって営業活動における戦術展開のヒントが得られかもしれません。

執筆者:蛭川速 / 2012.12.18