【4】団塊シニア男性の消費特性

④タイプ別攻略法

前回まで団塊シニアの購入したモノコトについてアンケート調査を材料に考察してきたが、「団塊シニアは時間とお金に余裕があるので〇〇をする」 といった一律的なもの見方はできないと考える。そこで2次データや新聞雑誌記事を参考にして団塊シニアの消費タイプとして以下の仮説を立て、インタビュー 調査に臨んだ。

【団塊シニアの消費タイプ】

①お金はあるが欲しいものがないタイプ ②結構消費を楽しんでいるタイプ
③本当にお金がないんですタイプ ④老後が不安でお金を遣えないタイプ


①のタイプは可処分資金(ひと月に自由に遣えるお金)が多いのだが、自身の欲しいモノが見当たらないというタイプ。恐らく昔(定年前)はリッチな生活をし ていたと考えられる。 ②のタイプは可処分資金が多く、且ついろいろなモノコトに消費していると考えられる消費のけん引役タイプ。 ③のタイプは低所得も しくは蓄えがなく消費したくてもできないタイプ ④のタイプはシニアの3つの不安「健康不安・経済不安・孤独不安」(村田アソシエイツ引用)が消費に対し て影響しているタイプでお金がない訳ではないが不安で消費できないタイプと考えられる。

この仮説のもとにインタビュー(GI)を行った結果、可処分資金と消費欲の2軸で分類することができた。実施したGIでは本質的な③のタイプは存在 せず、その代りに「自ら倹約しているタイプ」や、「消費欲はあるのだが妻が家計を握っているので思うように消費できないタイプ」「現状満足タイプ」が存在 することが分かった。それぞれの状況は表4にまとめた。

【表4】

これらを踏まえ、アンケート調査によって各タイプのボリュームを測定した。可処分資金を「3万円」で分別し、消費欲は「現在欲しいモノがあるか否か」という基準で分類した。

【図12】

結果を見ると可処分資金が多く消費欲も高い「多資金高消費欲」が44%を占めている。この中で可処分資金が5万円以上の方は全体の23%存在してい る。一方でお金はあるが欲しいモノがない「多資金低消費欲」は全体の14%。多数派ではないが一定数存在することが分かった。「多資金高消費欲」に次いで 多かったのは「低資金低消費欲」で28%。前掲の「本当にお金がないタイプ」「自ら倹約しているタイプ」や「現状満足タイプ」が混在していると考えられ る。

全体的には自由になるお金が潤沢で消費欲が高いタイプ(結構遣っている)と、可処分資金が少なく且つ消費欲も低い消費低関与タイプが全体の7割を形成している状況であった。

インタビュー調査、アンケート調査から各タイプについてのアプローチ方法を検討した。

【表5】

執筆者:蛭川速 / 2012.10.30