【4】団塊シニア男性の消費特性

②団塊男性の可処分資金

家計における男性と女性の実権はどのようになっているのだろうか?弊社独自調査(2012年9月実施 団塊シニア男性300名調査)によると、「自分が管理、妻へ小遣いを渡している」「自分が管理、妻へ生活費小遣いを渡している」の合計は33%にのぼり、 「妻が管理」の34%とほぼ同率であった。(「自分と妻と別々に管理」は14%「独り身だから自分で管理」14%)オリックスの調査(2012年10月 20歳以上既婚男女2115名)によると「夫が管理」25%、「妻が管理」61%、「共同」14%となっており、団塊シニア男性は退職を契機に家計の実権 を取り戻したのではないかと考えられる。(オリックス調査と母数を揃えると「自分が管理」は41%、「妻が管理」は42%)

【図6】


次に団塊シニア男性の自由になるお金はいくらなのだろうか?調査によると「月々5万円以上(生活費除く)」が3割以上となっている。新生銀行の「サ ラリーマンおこづかい調査」によると20代~50代のお小遣いは平均で39600円という結果が出ている。団塊シニアのカテゴリー設問を数値化して平均値 を求めると4万5000円であり、ほぼサラリーマンと変わらない金額、もしくはそれ以上の金額を毎月自由に遣えるという団塊シニア男性の実態が窺える。 (上記平均値は選択肢の範囲の取り方によって変動するのであくまで参考値)

【図7】

一方で団塊シニア男性は、どの程度家事を担っているのであろうか?調査によると「ゴミ捨て」に次いで「日常の食料品、日用品の買い物」が二番目に多 く49%となっている。日用品の買い物は主婦が中心という固定観念を変える必要があるかもしれない数字となっている。また約2割であるが「夕食の準備・調 理」を担っている団塊シニア男性が存在している。これまでマスマーケティングを展開してきた食品、日用品メーカーは高齢化社会においては、従来から取り組 んできた「主婦の目線」に加えて「シニア男性の目線」にも配慮する必要が出てきたといえる。

【図8】

これまで見てきた「60代世帯の消費実態の多さ(1人あたり消費支出)」「団塊世帯の家計の実権を握るのは男性である」「家事の担い手としての男 性」の3つの事象から、国内消費が低迷するなかで団塊シニア男性に注目して、彼らの消費特性を研究し、マーケティング活動に活かしていくことは非常に有効 であると考える。

執筆者:蛭川速 / 2012.10.29