【2】ヒット商品の状況仮説を考える

②ユニクロの顧客戦略_1

国内経済が長期低迷しているなかでファーストリテイリングのユニクロの業績が堅調です。1984年に1号店を出店してからおよそ20年で 4000億円の売上を達成し、2011年度8月期決算では国内だけで売上6000億円、店舗数843店としています。ユニクロは何故ここまで成長すること ができたのでしょうか?データとマーケティングの観点から仮説を設定してみましょう。


まず第1に顧客の裾野の広さが挙げられます。ユニクロのブランド認知は96%です。またここ1年間での来店経験率は77%、ここ1年間での購入経験 率は77%となっています。(ファストファッションに関する調査。クロスマーケティング自主調査:2010年2月。n1200男女均等)

また全世代に万遍なく普及していることも特徴の内の1つです。前掲調査で、購入経験率は、女性60代の65%~女性20代の82%まで性年代によって幅があるものの、それぞれの世代で過半数以上の高い購入経験率を獲得しています。

ここからユニクロは特定の世代に絞り込まずに、あらゆる年代のカジュアル衣料に対するニーズを取り込んでいることが成功要因の1つとして考えること ができます。どこへ行っても店舗へ入ることができ、どんな年代の人でも来店しやすい店づくり、接客が行われている企業努力がもたらしたものと考えられま す。

では日本国内の全ての人がユニクロの顧客なのでしょうか?前掲のファストファッションに関する調査では、GAPでここ1年間の内購入したことのある 人の中では19%しかユニクロへ来店したことがありません。H&M、ZARAでは10%、FOEVER21では7%となっています。ユニクロ購入 経験率77%と合わせて考えると確実にユニクロ非顧客(どんなに頑張っても顧客になり得ない層)が存在することが確認できます。

何故そのような結果になるのでしょうか?老若男女のニーズを取り込んでいるはずなのに、ユニクロに全く行かない人が存在する。各店に求めているモノに違いがありそうです。

次回はユニクロが提供する価値を顧客視点で考えていきましょう。

執筆者:蛭川速 / 2012.10.04