【2】ヒット商品の状況仮説を考える

①コンビニスイーツの販売状況

2009年発売のローソン「プレミアムロールケーキ」の大ヒット以降、コンビニエンスストアでデザートやケーキなどのスイーツの売上が増加して います。リーマンショック以降の国内景気低迷の影響もあって菓子市場全体では低減傾向がある中で、何故ここまでコンビニスイーツの売り上げが伸びているの でしょうか。

2012年3月に実施されたインターワイヤード株式会社による「コンビニスイーツに関するアンケート」(DIMSDRIVEモニター9163人 イ ンターネットリサーチ)によると「週1回以上購入する」比率は、男性20代が最も多く26%、次いで女性20代21.4%、女性30代20.5%と続きま す。では何故男性20代、女性20代30代がコンビニでスイーツを購入しているのでしょうか?


whyツリーを作成してみましょう。トヨタで有名な「何故を5回」繰り返し本質的な原因を追究しようというフレームワークです。ロジカルシンキングのツールですが、要因を分析し、真因を掴むことができます。

「男性20代がコンビニスイーツを購入している」を出発点としてwhyツリーを展開していくと「男性もスイーツを食べたいがお洒落なカフェでは恥ずかしくてスイーツを食べることができない」が重要な真因ではないかという仮説が成り立ちます。

「女性20代30代の女性がコンビニスイーツを購入している」を出発点としてwhyツリーを展開していくと「景気低迷によってカフェでスイーツを食べる機会・シーンが減少している」が重要な要因ではないかと考えることができます。

whyツリーで要因を分析した後は、各仮説について、どの程度確からしいのか?仮説を検証します。ここでマーケティングリサーチの登場となります。仮説のないリサーチは時間とコストの無駄以外の何物でもありません。

「男性もスイーツを食べたいがお洒落なカフェでは恥ずかしくてスイーツを食べることができない」や「景気低迷によってカフェでスイーツを食べている機会・シーンが減少している」という要因から、若年層のスイーツ食シーンと食卓変化という状況が浮かび上がってきます。

この若年層の食シーンの変化を状況仮説として設定し、更に発想を膨らませることで、「カフェが提供している本場イタリアの珍しいスイーツ」や「草食 男子向けスイーツ」という施策展開の仮説を設定することができます。ファミマでは「俺のスイーツ」シリーズ化していますが「がっつり食べられるスイーツ以 外の男性ニーズへの展開」も発想として考えられそうです。

マーケティング仮説では、事実『Fact』に基づいて、要因分析を進めていき真因を探索します。真因の確からしさを検証することで精度の高い仮説を導くことができるのです。

次回以降、仮説設定のプロセスについて解説していきたいと思います。

執筆者:蛭川速 / 2012.08.30